司法試験短答式の勉強法等

司法試験短答式の勉強法等

司法試験の短答式試験。たかが短答式、されど短答式。

私自身は短答式試験に恐怖を感じた事は無いのですが、知り合いは短答式試験で何度か足切りをされているという現実。

勉強方法を間違えてると合格できないのは短答式も同じなのでしょう。

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短答式試験の位置付け

司法試験短答式試験は、現行制度下では憲法・民法・刑法の三科目です。そして三科目合計で175点満点、足切り点数は108点前後で、受験者は大体3割がここで脱落します。つまり、残りの7割が論文式試験のステージで戦う事になります。

ここで足切りされてしまうと、司法試験前に必死で詰め込んだ論文知識、試験日程4日間のうち最初の3日間の苦労や苦悩が全て無に帰すという何とも虚しい結果になってしまいます。

しかしこの短答式試験。いざ足切りを突破してしまうとかなりうウェイトが軽くなります。というのも、各論文の科目は1科目100点満点なのですが、採点の際はそれぞれの得点を1.75倍にして論文8科目合計1400点にし、短答式の175点との合計1575点で順位が決まってきます。短答式に数点の差に泣いた人がいるとしても、短答式の点差など「合格」の観点から見れば「微々たるもの」です。

短答式の為に極めて細かい知識を詰め込むのは結構ですが、明らかに効率が悪いです。

短答式の得点分布から見る出題方針の分析

試験直前の予備校模試の採点シートを見ていて気が付いたのですが、予備校模試は意図的に「誰でも分かるであろう基礎的問題」「少し正答率がばらつくであろう問題」「正答すれば良く勉強してますね問題」(呼び方は私が勝手につけた)と言う様な感じになっています。

正確には「正答率の高い問題」「正答率がそこそこの問題」「正答率が低い問題」ごとの私の成績が見れただけですが。

司法試験短答式についても、足切りこそ108点前後ですが、合格者平均は例年130点前後となっていまして、このラインを中心に足切り突破者がひしめいています。

つまり、司法試験と言えども、やはり予備校と同じように各問題は「正答率高そう」「正答率そこそこだろう」「正答率低いだろう」という大まかな分類が可能でだと考えられます。

故に、「正答率高そう」な問題をなるべく落とさす、「正答率がそこそこであろう」問題をなるべくものにして、「正答率低いだろう」問題で少しでもラッキーパンチで点を稼げるようにするのが正攻法となります。

そうだとすれば、(惜しくも不合格を含む)合格圏の皆が知っていることを押さえて、法的思考能力を身につけていれば、短答式の足切り突破は余裕で出来ます

短答式試験の勉強方針

少し言い方を変えますが、上述の様に、短答式での正攻法は、①「基本的な問題を落とさず」②「合否が別れる問題をなるべくものに」し、③「皆が落としがちな難しい問題を少しでも正答できるようにする」事です。

こちらも繰り返しになりますが、その為には「合格圏の皆が知っている基本的知識を押さえる」・「法的思考能力を高める」事が大事になってきます。

具体的な勉強方法の提案

1.基本的知識の習得

基本的知識には2通りあります。「論文式でも使う知識」、「短答試験のみで出題されそうな知識」、の2つです。

論文式でも使う知識

論文式でも使う知識については、判例の射程なども含めて良く皆さん学習しているので、基本的には「落としてはいけない基本知識問題」に分類されます。論文式が本番なわけですから、この部分でかなり落とす様だと合格は遠いです。

短答式のみで出題されそうな知識

この記事で言及したいのは「短答式のみで出題されそうな知識」についてです。「短答プロパー」とも言うのですかね。

図が無いとイメージし辛いかもしれませんが、富士山の様な末広がりの円錐をイメージして下さい。頂点に近い方の直径が狭い部分ほど「基本的知識」だとするなら短答プロパーは際限なく広がって行く下の方に属する知識です。

量が多いクセに重要度が低い。まともに付き合っていたら、時間ばかりが過ぎて行く割に全く点に結びつかないという始末。取り組む際には効率を意識しなければいけません。

そこで、短答プロパーに関しては過去問検討から入るのが無難だと考えます。

過去問の使い方

そもそも過去問に全く取り組まずに本番を迎えるという事は想定されない訳ですが、それはさておき、過去問と言うのは司法試験委員が「出題する意味がある」と思って出題している知識です。そして、案外手を変え品を変え出されていたりもする事があったりと。「パレートの法則」なんて仰々しい言葉で言われていたりもします。まずは過去問検討をしましょう。

使う過去問集については、解説がシッカリとしている物を使いましょう。「5つの選択肢の中から合ってるものや間違ったものが選べたからそれでOK」ではなく、学習段階では各肢ごとに「なぜ○なのか」「なぜ×なのか」を可能な限り説明できるまで何度も反復(回)しましょう。もちろん、出来なかった問題だけに絞って繰り返して行きます。寝ぼけてても解ける問題を何回解といても意味無いですからね。

そのようにして、普段からの「体系的理解」と個々の学習を通じて養われているハズの「司法的バランス感覚」をさらに研ぎ澄まして行く事で「法的思考力」を伸ばし、合否を分ける問題も「多分これかもしれない」「いやいやそうはならんでしょ」と選ぶ事でそれが合っている可能性が高まりますし、正答率の低い問題でも当たる可能性が少しは上がってきます。

ただ、過去問を何度も繰り返しするのが大切だとは言いましたが、正答率が20%切る様な問題なんかは、最悪別に出来なくても構わないです。他に優先事項があればそちらを優先して下さい。

ちなみに、私は辰巳法律研究所の出す、短答過去問パーフェクトを使っていました。重要な判例に関しては判旨の重要な部分も引用されていて、論文式知識が問われる所に関しては、短答式の勉強が論文式の勉強にもなったからです。もちろん、辰巳法律研究所の短答式過去問パーフェクトに限りません。○×くらいの記載とオマケ程度の解説しかないものはあまりオススメはしません、という事だけです。

※補足ですが、特に民法に顕著になりそうですけれども、改正に関わる部分は試験委員が大切だと思う傾向があります。

2.法的思考力

「法的思考力」というのは、とある講師の造語なのかもしれませんが、いずれにしても「基本的知識をもとに未知の問題を解いていく力」というのがなければ、まず司法試験は受からないでしょう。

い司法試験は、短答式の「合否を分ける問題」レベル以上、論文式一般において、事前に仕入れられる知識そのままでは太刀打ちできません

体系的理解による基本的原理原則、常識レベルの判例をもとに、見た事の無い事例等を考える力が非常に大切になって来ます。

これは一朝一夕で身につくものではありません。普段の学習の中で意識的に身につけて行こうとする姿勢が大切です。

既に述べたところと重複してしまうのですが、そのような「法的思考力」を伸ばす事で、合否を分ける問題も「多分これかもしれない」「いやいやそうはならんでしょ」と選ぶ事でそれが合っている可能性が高まりますし、正答率の低い問題でも当たる可能性が少しは上がって来るのです。

本番での解き方

普段の学習と違って、受かれば良いのです。一つの問題には平均して1分半とか2分しかかけられませんので、時間との勝負です。

特に「合っているものの」「間違っているもの」の「組み合わせを選びなさい」式の問題では、「これは○」「これは×」と確信を持てる肢、あるいは「これが一番○かも」「これは一番×だと思う」という様な肢を中心に、選択肢を削ってテンポ良く進めて下さい。必ずしも全部の選択肢を検討する必要はありません。

問題によっては効率的にテンポ良く進めて、余った時間は時間がかかりそうな問題にじっくり使って、「適切な時間配分」による現状最高の結果が出せるように頑張って下さい。

終わりに

短答式は所詮足切りに過ぎません。しかし突破しなければ論文式の採点すらなされません。

前人未到の高得点の「伝説の合格者」になりたい方はさておき、ひとまず合格が目標の皆さんは効率的に短答式試験に臨みましょう。

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