司法試験の要点①:司法試験概説

司法試験の勉強に臨む前に、そもそも司法試験を見誤ってはいけません。

※適宜更新中なので至らない所はご容赦下さい。

①司法試験概説

①-1 司法試験とは

まず誤解してはいけないのが、司法試験は実務家登用の為の試験、言い方を変えれば、実務家としての訓練を受ける司法研修所に入る為の入所試験です。

世間一般では何やらとっても難しい様な印象を持たれていますが、それ以上でも入れ以下でもありません。そして、「まともな」受験生は半分が一発で受かる。その程度の試験です。法曹を志すのであれば所詮は入り口。あまり「敵」を大き過ぎるものと見誤ってはいけません。

①-2 司法試験に必要なモノを知る

司法試験の、短答式は知識の有無と多少の法的思考能力が試される訳ですが、それはさておき、一番の関門の論述式試験に必要な要素について述べさせて頂きます。

必要なのは、Ⅰ基本的知識Ⅱ問題分析能力Ⅲ起案・論述スキル、の三要素です。どれか一つでも欠けてはいけません。

Ⅰ基本的知識

「基本的」というのが曲者ですが、つまり細かすぎる知識は不要です。煩わしい学説も不要です。基本的には「判例通説をベースにどう処理されるのか」についての理解を深めるのが最優先です。

例えば、刑法で良くマニアや変態がはまりがちな行為無価値・結果無価値とかその辺のどうでも良い議論と体系があるのですが、私は不自然な日本語故にどっちがどっちだか忘れましたが、それでも司法試験は受かります。

大事なのはその問題が実務でどう処理されているのか。それに尽きます。むしろそうでなかったら実務家登用試験にはならないですから。

判例通説が無いか、あるいはそれだけではどうしても上手くいかない所は多数説・有力説をおさえておけばいいです。

そして、みんなが知らない様な知識を詰め込むよりも、皆が知っていそうな知識をしっかりおさえる方が大事です。皆が知らない知識のせいで分からない問題は、結局みんな出来ないので、出来なくても本番で差がつきません。

注意点としては、最初は知識の吸収それ自体が目的でも良いですが、結局、論述式試験では基本知識を使って問題分析をするくらいのスタンスでいましょう。いつか書くかもしれませんが、基本知識がそのまま問われる事は無いです。

Ⅱ問題分析能力

司法試験は知識を詰め込んで吐き出すだけでは合格しません。

出題者の出題意図、出題者の誘導を読み取って、可能な限りそれに即した論述を心がけていく事になります。

あきらかに本問の事案解決の為には問題とならない様な部分について、長々と丸暗記してきた論証をご丁寧に貼り付けても、点が付かないどころかむしろ採点官の心証を悪くして点が悪くなりかねません。

司法制度改革の目的の一つは「論証ブロック」を排除する事にあった訳ですから。

私の様な適当な性格の人間にとっては、知識の本質だけはシッカリ押さえておいて、出題意図等を読み取りつつ現場で適当に考えていけば良いのでむしろ助かるのですが、厳密に物を覚えて吐き出す事を得意とする方にとっては困るところな様です。

私は直前の模試なんかで憲法の答案に「問題文のポイントは拾えてますが、もう少し判例を意識した規範を立てましょう」とコメントされていましたが、すでに一応は理解している知識であれば秒で解決します。

他方で「もう少し問題文の誘導を読み取りましょう」等と書かれている場合は、それはその科目だけの問題ではなく、そもそもの司法試験の問題の解き方に問題があると言わざるを得ません。かなり深刻に捉えた方が良いでしょう。

また、科目によって誘導の分かりやすさは異なります。行政法や民事訴訟法は論述すべき事柄がハッキリと書かれていたりします。年度によっては憲法もそうです。他方で、民法で契約が出てきたときはその解釈をする事、会社法であれば定款が出てくればその中に重要な要素があるから使いなさい等、分かりやすいときはシッカリと乗るべきです。誘導等が読み取れなければ、そこはある程度自由演技と解釈しても構わないでしょう。

Ⅲ起案・論述スキル

基本的知識を使ってシッカリ問題分析が出来た、と、ここまでは合格の三分の二でしかありません。自分の頭で理解した事を文章で伝えなければいけません。伝えられなければ点はつきません。対面コミュ障か否かはさておき、文章的なコミュ障は合格できません。また、そう言う意味では、汚すぎる字、小さすぎる字、つぶれている字というのは推奨できません。受からないとは言いませんが。

他方で、時間的制約もあります。司法試験の問題は、基本的に二時間でシッカリ理解しようとするのは不可能だと思っておいて下さい。「こんなに深い問題意識があったのか」というのは出題者の自己満足です。重要なのは皆が気が付く問題のポイントをそつなく拾う事です。全ての論点を拾いきることは不可能です。

そして、瑣末な論点は判例通説の結論をサラッと書いて言及し、大事な論点には問題提起・規範定立・あてはめ・結論と法的三段論法をしっかり踏まえた論述をしていかなければなりません。

答案構成もさることながら、「文章の流れ」も大切です。上位合格答案を読むとシンプルにサラリとテンポ良く流れて行きます。そのぐらいでないと全部書ききる事も不可能ですし。手厚くごちゃごちゃと謎の議論を展開してしまう時点で、おそらくその部分はジ・エンドです。そのせいで時間が足りずに途中答案になったらゲームオーバー(不合格答案)です。

先に言ってしまいましたが、「途中答案は基本的に不合格」だと思え、と言う旨を受験指導の中ではずっと言われてました。真偽は知りませんが、印象が良くないのは確かでしょう。

終わりに

不備等あれば適宜加筆・修正しますが、「司法試験概説」は以上となります。

次回は初学者の勉強から書いていこうと思います。

 

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